第322 回 定例会:質問2 実教出版の高校日本史A・B教科書使用について

 

 

 

 

 

 

 

次の質問は、実教出版の高校日本史A・B教科書使用についてお尋ねします。

この教科書の注釈に記載されている「国旗・国歌法をめぐっては、日の丸・君が代がアジアに対する侵略戦争ではたした役割とともに、思想・良心の自由、とりわけ内心の自由をどう保障するかが議論となった。政府は、この法律によって国民に国旗掲揚、国歌斉唱などを強制するものではないことを国会審議で明らかにした。しかし、一部の自治体で公務員への強制の動きがある。」の部分については、学習指導要領に合致していない記述があるとの問題提起があり、全国的に議論となったのは皆様もご存じの事だと思います。

本県教育委員会が作成する「指導の重点」においても、「機会あるごとに国旗を掲揚し、国歌を斉唱するとともに、外国の国旗や国歌に対しても敬意をはらうよう指導する。」とあります。この教科書の当該記述は国や県の教育指針とは明らかにかけ離れており、生徒を困惑させる事にもなり、適切な教育が行える教科書であるとは言い難いと言えます。

東京都教育委員会は昨年6月、この教科書に都教委の考えと異なる部分があるとして「使用することは適切ではない」との見解を発表しました。

神奈川県教委も同年7月、採択を希望する校長に再考を求めた結果、採択ゼロとなり、埼玉県では8月に指導資料集の併用を条件に8校がこの教科書の使用を採択。その後、県議会文教委員会が再審査を求める決議を行い、教育委員長が辞任する事態となりましたが、後任の委員長は採択校を公表し、再審査は行わない方針を決めています。

この教科書を読み進めていくと問題点は多岐にわたると考えられます。

領土に関してですが、北方領土・竹島・尖閣諸島が日本固有の領土であることは事実であり、竹島については外務省がホームページで韓国に不法占拠されていることを明記しています。それにも関わらず数社の教科書では北方領土と竹島が不法に占拠されている事を明記していないばかりか、ロシア、韓国、中国による領有の主張に、あたかも日本と同様の正当性があるかのような記述をしているものもあります。そして実教出版の高校日本史A・Bにいたっては、我が国が直面しているこの問題について、記述どころか、北方領土・竹島・尖閣諸島という単語すら出てきません。

下村文科相は「子供たちが日本の領土を正しく理解することは重要だ。国家として当然」と述べています。その通りであります。

自国の領土や歴史を正しく記述することと、外交的な配慮は関係ない。他国におもねるような記述こそ問題ではないでしょうか。

これまで、領土や領海についての教育がおろそかにされてきた結果、北方領土や竹島、尖閣の地図を見せ、国境線を聞いた調査では、高校生のほか大人も正解者は少ないのが現実です。

内閣府が昨年行った尖閣に関する調査では、9割の人は名称を知っていたが、沖縄県にあると答えられたのは6割台でした。領土を正しく理解し、関心を深める教育を進めるべきであります。

また、自国の歴史については、どこの国の教科書も自分の国に誇りを持てる記述になっていますが、実教出版の教科書は、日本の歴史を否定的に扱う記述が随所に見られます。

日本は中心にいる悪い人たちが、まわりの弱い人たちを押さえつけ苦しめる事で発展してきた。日本人とは常に加害者であったかのような印象を意図的に与える内容になっています。そして先の戦争において日本人が朝鮮や中国などの人たちに、どんなにひどい事をしたかという事に繋がっており、こんな歴史を学んだ子ども達が、どうして日本を好きになる事ができるのか ? 自分の育った国をおとしめる内容ばかりでは日本の歴史への興味、関心すら失ってしまうのは明らかです。

グローバル社会に適応した人材を育成する事が重要となっていますが、まず、自国の歴史や文化を正確に理解し、諸外国の方々と議論になった際にも自信と誇りを持ち自国の事を語り意見を述べる事が出来なければならないと感じます。

そこで、これまで述べたことを踏まえ、本県で実教出版の高校日本史A・Bを使用する県立高校が10校あることについて、教科書採択の権限を有する教育委員長のご見解をお伺いします。

【山口教育委員長・高井教育長からの回答】

グローバル化が進行する社会において、領土問題や歴史認識等について適切に指導することは、議員のご指摘のとおり次代を担う子供たちの育成に欠かせないものであると考えております。

教科書選定は高校進学率が98%を超える中、150校の県立高校では、全日制と定時制、普通科と職業学科、進学、就職の生徒の希望等により、高校毎に学習内容が大きく異なります。このため教科書選定にあたっては、出版社によって特徴のある検定済教科書の中から、各高校の教育目標、教育課程、生徒の実態に配慮し、自校の生徒に最も適切な教科書を選ぶことが肝要であると考えております。

平成26年度教科書採択にあたっては、全県立学校へ①地理歴史科に係る近現代の学習について、あくまで学習指導要領及び同解説を踏まえ実施することが原則であります。②特に実教出版株式会社「高校日本史」教科書使用高校へは、国旗・国歌の丁寧な指導を図書使用に際しての留意事項として付すことを条件とし、ご指摘の10校も含め、各校の選定理由等を審議の上、妥当であると判断し、教育委員会として平成26年度使用教科書を採択いたしました。

なお、北方領土・竹島・尖閣諸島の取扱いについては、学習指導要領解説が本年1月に改正され、我が国が国際法上の正当な根拠に基づき竹島、尖閣諸島を正式に編入した経緯を取り上げ、領土に関する指導の充実を図ることとされました。このことを受け、全県立学校あてに領土に関する指導の徹底を図る通知を1月に出したところです。

今後とも、これらのことを踏まえ学習指導要領に基づく指導を徹底し、自国の領土や領土問題について理解を深め、国民として自覚を高めるとともに、高い志を持って国際社会に貢献できる人材の育成に努めてまいりたいと思います。

【再質問】留意事項を付けなければならない教科書が本当に良い教科書なのでしょうか。

東京都、神奈川県の教育委員会の判断は兵庫県と全く違います。これは兵庫県としてはおかしな判断であったという認識なのでしょうか。

【再答弁】  委員長がお答えしたように、実教出版の教科書は大変教えやすい中身、見やすい、わかりやすいということで大変優れた点がございます。それをメインに学校は選定をしたが、一部の記述には少し誤解を招くところもあるということで、その至らざるところを通知できちんと知らせて、きわめて異例の通知でありましたが、指導の留意事項を伝えたところでございます。それに沿って指導が適切にできるのであれば、教育基本法、ひょうご教育創造プラン、指導の重点に沿った指導ができるものと考えております。

ちなみに、東京都、神奈川県においては、そのようなことをせずに最初から使わないということを選択されたと理解しております。

【再質問】 たぶん教育長はこの教科書を読んでいないのではないかと感じます。内容がいいということは考えられない。実際、この教科書を読んでみますと、問題点はそこだけではない。たくさんあります。東京都、神奈川県の教育委員会の方々は、きっちりこの教科書を読んで判断されたのではないかと考えます。

それと、各高校がその教科書を選定し、教育委員長が使っていいと判断をされました。各県立高校の校長先生は教育委員会の一員であります。その教育委員会の一員である校長が、兵庫県の教育指針とかけ離れた教科書を選定をすることは問題であると考えます。

【再答弁】  繰り返しになり恐縮ですが、各学校長の責任において、当該高等学校の生徒に一番教えやすい教科書を選定するという仕組みをとっています。その中で教えやすさに力点をおいて、学校長が選定をしたのは妥当であると考えております。

 【コメント】 ぜひ、教育長にもきっちりとこの教科書2冊を読んでいただきたい。大人が規範意識を高くもって子どもに教育をしないと、すべての原点は教育にあると思うので、ぜひその点をよろしくお願いいたします。

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