第322 回 定例会:質問3-3 退所児童に対する就業支援とアフターフォローについて

 

 

 

 

 

 

 

次は、退所児童に対する就業支援とアフターフォローについてです。

児童養護施設で生活する児童の高校卒業後の動向は平成25年3月では、進学が28.9%、就職が68.9%、その他が2.2%であります。約7割が就職しており、数字を見ると取り立てて問題は無いように感じますが、3人に1人が発達障害等により特別な支援が必要である事を考慮すると、長く就業を続け自立、自活しているとは推測し難く、支援が重要であると考えます。

ある施設で状況を伺うと、女子については特に問題が深刻で、退所後、適当とは考え難い職場や性風俗といった仕事につく子ども達がいると聞いています。

現在、児童養護施設で大切に育てられている子ども達が社会に出ても、将来に夢を持ち、その夢に向かって歩んでいける兵庫県でなくてはなりません。

児童養護施設退所児童に対する就業支援や、就業先に対する支援など、退所児童のアフターフォローの必要性を強く感じますが、県当局のご見解と対応についてお伺いします。

【太田健康福祉部長からの回答】
 児童養護施設の退所者の自立に当たりましては、こども家庭センターのケースワーカーが、本人を交え、学校、施設、保護者等の関係者と今後の進路について話し合いや調整を行いますほか、退所後の進学・就職や資格取得のための費用、最大約32万円でございますが、これを支給し、円滑な社会への巣立ちを支援しています。

また、22年度からは毎年、県の中小企業団体中央会のご協力を得まして、就職支援セミナーを開催し、より着実な就職に結びつくよう取組を進めてきました。

さらに、就職後は、定期的に施設の職員が就職先に訪問したり、電話をかけるなどによって、児童の状況把握に努めるなど、アフターフォローを行っているところでございます。

来年度からは新たな取組といたしまして、退所児童の生活状況や抱えている課題、ニーズ等を把握し、今後の支援に繋げますため、過去5年間に退所した方々に対して、アンケートやインタビューにより、実態調査を行うことといたしております。

この実態調査の結果から、退所者の円滑な自立に向けた具体の支援方策を検討したい、その結果を26年度中に策定いたします「新ひょうご子ども未来プラン」の次期計画に盛り込み、施設を退所した児童がしっかりと自立し、将来に夢と希望を持って安定した生活を継続できるように支援をしてまいりたい、そのように考えております。

【再質問】 就業先へ定期的に連絡を入れる、との答弁をいただきましたが、連絡が取れる子というのは、あまり心配がいらない。就業しているかどうか、どこにいるのかも分からない、という子どもたちのアフターフォローが重要だと考えます。その点についてはいかがか。

【再答弁】確かに、現在我々がこの方法でアンケート・インタビュー調査をしようとしている者は約300人おられますが、その中で今、議員ご指摘のようになかなか連絡が取れないということもあるとは思います。それにつきましては、事前に、ケースワーカーが調整を行って、なるべく多数の方を把握したいと思っておりますので、ご意見については肝に銘じて調査をしていきたいと考えております。

【コメント】 現在、兵庫県には、清水が丘学園という、小学生・中学生が主に入所する施設がありますが、先ほど申したような子どものアフターフォローに当たるような施設は、兵庫県内では、神戸市垂水区の自立援助ホーム子供の家が一つあるだけであり、こういった施設を県で造っていただきたい。

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